第9回 「おむすび」

我が家のおむすびは、すごい!なんたってでかい。
もしかして私の握りこぶしよりも大きいかもしれない。

そのおむすびの中に、指でドリルのように穴を開け塩昆布、おかか、梅干など具を入れる。
そしてぐるりと海苔を巻くのだ。
子供たちには、これを給食のない時にお弁当として持たせる。
友達からは、「す、す、すごい!!」と驚きの声があがるラシイ。
        挿絵(おむすび1)
これこそ母の手の温もり、母の愛情一杯のおむすびなのだ。
「ほんとは、ひとつひとつ握るのが面倒くさいからでしょ。」と娘につっこまれてはいるけれど・・・。


日本は、「瑞穂、水穂の国」つまり「米の国」である。
そして、この米を結ぶおむすびは、命を結ぶ食べ物である。
また、むすびは「産霊」とも書かれ、古くは古事記に万物すべてを創造した神として出てくる。

握り飯をおむすびというには、米飯のかたまりの中に生命養う根源的なエネルギーを感じとることができたからだという説がある。
手の平を上下しながら両手で握ることが、神や霊のエネルギーを凝縮するといわれ、握り飯を「みたまの飯」とも呼ぶ。

米粒の一粒一粒に穀霊が宿っており、米粒を握り球形、三角形にすることで神の力も強くなると信じられていたらしい。
みたまは、御魂で神の力のこと。握り飯にすることで強化された米の霊が体内に入り、生命をこの世に繋ぎとめる結び目がいっそう強くなるという考え方をされている。
挿絵(おむすび2)


また、1月17日を「ごはんを食べよう国民運動推進協議会」が「おむすびの日」とした。
この日は、阪神、淡路大震災の発生した日でもあるが、この時に差し入れられたおむすびの温もりが、被災された人々を勇気づけ救ったといわれており、それを忘れないために制定されたのだそうだ。
おむすびは、「癒し系」の食べ物なのだと思う。

こんな事を書いていたら、 なんだかおむすびが食べたくなってきた。
母のおむすびは里帰りまでのおあずけ。
では、自分でにぎるかコンビニか、ちょっと娘に頼もうか、ほんわか暖かい梅干入りの三角おむすびがいい。
そしておむすびと一緒にエネルギーもいっぱいいただこう。

          挿絵(里)