第53回 「涙の効用

   別れの3月。春のうららかさとはうらはらに、何だか寂しい時期ですね。

   さて、つらいときや悲しいとき、悔しいとき、また逆にうれしいときや感動したときに、自然に流れる涙。感情の揺れ動きによって涙腺が緩み、涙が流れると、不思議とスーッと気持ちが落ち着いてくるように感じませんか?

   実は涙は貴重な成分をたくさん含み、すばらしい働きをしてくれています。今回は、大切な涙についてお話しようと思います。

   涙には目についたゴミやほこりを洗い流し、乾燥を防ぐ役目があり、1日に約0.6〜1ml分泌されています原料は血液で、9割以上が水、残りはナトリウムやカリウムなどの塩類とアルブミン、グロブリンというタンパク質などでできています。また、感情的になって泣いたときの涙には、プロラクチンや副腎皮質刺激ホルモンといった物質も含まれているそうです。
  これらは、ストレスに反応して心身に緊張を強いたり、免疫系に影響したりする物質です。どうやら涙は、ストレス物質を排出する重要な役目も果たしているようです。なんて合理的なメカニズムなのでしょう!
日本では昔から「泣く=負け、弱い」と捉えられがちですが、生理学的観点からみても、涙をこらえるだなんて、とんでもないことです。やはり、泣きたいときは思いっきり泣くことが、心にとってとても大切なのです。とめどなく涙を流せば、ふっと気持ちがほどけて心身がリラックスするはずです。
    涙の効用を上手く使えば、別れの3月も気持ち良く乗り切れそうですね。出会いの4月はすぐそこです♪