第118回 「CTによる肺がん検診とは?

   日本人の死亡原因の第1位はがんで、その中で最も多いのが肺がんです。現在、1年間に約7万人が肺がんで亡くなっています。肺がんはある程度進行してからでないと症状が出にくく、見つかった時にはすでに進行しているケースも少なくありません。肺がん患者の5年生存率は全種類のがんの平均よりも下回っており、予後の悪いがんといえます。現在、厚生労働省が定める肺がん検診は、40歳以上の人を対象とした年1回の胸部X線検診や、痰を採取して顕微鏡で調べる喀痰検査です。しかし、これらの検査では早期の肺がんを発見するには限界があります。そこで「治るがん」を見つけるためにお勧めなのが、CTによる肺がん検診です。

CT検診の特徴
・がん発見率が高い(胸部単純X線検診の約10倍程度)
・微細ながんを発見できる⇒5mm程度まで発見可能
CTで発見された肺がんは早期の比率が高く、その治療成績も良好
・喫煙による肺へのダメージがはっきりと描出される
・一般診療に比べ低線量被曝である

特に検診をお勧めする方
・喫煙者、喫煙歴がある方
40歳以上の方
・咳、痰などが続く方
・家族に喫煙者がいる方
・家族にがん歴、肺の疾患がある方

   肺がんは「たばこを吸う人の病気」というイメージが強く、実際に肺がんの原因としてはっきりしているのは喫煙です。たばこを多く吸う人ほど肺がんにかかりやすく、一般に重喫煙者(1日の本数×喫煙年数=喫煙指数が600以上の人)は肺がんのハイリスク群です。しかしながら、近年、日本人男性の約3割、女性の約8割の肺がんは非喫煙者に発症しています。つまり日本人の肺がんは、喫煙以外の習慣や受動喫煙、環境との因果関係もあり、たばこを吸ったことがない人でも十分に注意する必要があるということです。
   CTによる肺がん検診は、寝台に仰向けになり合図に合わせて短時間の息止めをするだけの簡単な検査です。ぜひ一度受けてみましょう。